中学受験に向けた塾通いが本格的になる4年生ごろから、「どこの塾?」「成績は?」「受験校はどこ?」といった会話が、ママ同士の間で当たり前のように交わされるようになります。
わが家は、受験校については子どもにも「外では話さない」と最初から決めていました。
それでも、聞かれる・詮索されるといったことは日常的にあり、意識して距離をとる場面も多かったです。
特に、5年生で塾をやめたあとも、卒業までずっといろいろな聞かれ方をされたのは意外でした。
今回は、そんなやりとりの中で私が感じたことを、そのまま書いています。
「受験の情報交換しよう」と電話がきた話
塾も志望校も違うのに「受験の情報交換をしよう」と言われ、戸惑った出来事がありました。
5年生のはじめ頃、あるママからPTAの連絡で電話がかかってきました。
その方とは、その年に初めて同じクラスになったばかりで、普段は挨拶する程度のお付き合いでした。電話の用件が終わったあと、いきなりこう言われたんです。

いろいろと、受験の情報交換してもらえませんか?
この方は中学受験の経験があり、通っている塾もわが家とは別のところ。
うちはちょうどその頃、塾をやめる手続きをしている最中でした。
子どもの性別も塾も違いますし、志望校がかぶる可能性もありません。
それなのに「情報交換」と言われても、正直、何を話すのか全く見当がつきませんでした。
その後もしばらく、クラスのことや受験のことを一方的に話されましたが、私はクラスの様子にも詳しくなかったので、「そうなんですね…」と相づちを打つだけ。
話が広がることもなく、相手もあきらめたのか、その後また連絡がくることはありませんでした。



何が知りたかったのかは、今でもよく分かりません。
「塾やめたの?」何度も聞かれた話
同じ小学校で、同じ塾に通っていたママから、塾をやめた直後から何度も中学受験について聞かれ続けていました。
わが家は5年生に入ってすぐ、その塾をやめましたが、その方はずっと変わらず、同じ塾に通い続けていた方です。
お子さんの性別はうちとは違い、中学受験の経験がある方でした。
その方には、塾をやめた直後から、会うたびに同じことを聞かれていました。



塾、どうしたの?どうしてやめたの?次はどこに行ってるの?
何度も何度も聞かれるうちに、「これはもう、ただ知りたいだけなんだろうな」と思うようになりました。
こちらとしては、「まぁ、いろいろあるよね」「どう?最近は?」ぐらいしか返しようがありません。
この方はご自身の塾を変えるつもりもなかったので、他の塾の話を聞いても、特に参考になるわけでもなかったはず。
もしかしたら、単に話のネタにしたかっただけなのかもしれません
「どこの学校受けるの?」受験しないママからの詮索
中学受験をしないと決めている“噂好きなママ”から、なぜか受験の話をしつこく聞かれることがありました。
6年間同じクラスだったママで、いわゆる“噂話が大好き”、どんな小さなことでも知っていないと気が済まないような人でした。
そのご家庭は中学受験を選択肢にしておらず、きょうだいは上の子もすでに地元の中学に進学していて、下の子も同じ中学に進むと決まっていました。会うたびにこう言われました。



塾、どうしたの?どうしてやめたの?次はどこに行ってるの?
心の中では毎回、「何度もしつこいな…それ、あなたに関係ある?」と思っていました。
それにしても、ママたちのネットワークって本当にすごいです。
わが家が塾をやめたことまで、こちらから話してもいないのにもう知られていました。
塾をやめたのは事実ですし、すでに知れ渡っていることだったので、否定もせず「やめたよ」とだけ伝えて終わり。
それ以上は、何を聞かれても答えないようにしていました。そんなあるとき、また突然こう話しかけられました。



〇〇ちゃんは△中学校に行きたいんだって。〇〇ちゃんのお兄ちゃんは、□中学を受けたけど、受かったのは★中学だったんだよ。それで、おたくは受験どうするの?
はぁ……しつこいですよね、そこまでして知りたいものなんでしょうか…。
子ども同士で受験校を探り合う話
受験が近づくと、子ども同士の間でも「どこ受けるの?」という会話が増えていくことで、わが家もそうしたやりとりに巻き込まれることになりました。
同級生のAとBがわが子の席にやってきて、毎日のように大手塾の偏差値表を広げながら受験校をしつこく聞かれる状況が続いていたんです。



どの学校受けるの?ここ?こっち?
この時期の大手塾は志望校別にクラス編成されるので、塾にいるだけで大体の受験校はわかりますが、わが家の場合、同じ小学校の子がいない校舎にいたので、情報を手に入れる手段がなかったのです。
休み時間のたびに、毎日こんなことが続いていましたが、子どもは何も言わず、ずっと無言で耐えていたようです。
しかし、あまりにも酷く、親としてもさすがに腹が立ったので、ある日担任の先生に連絡して事情をお伝えしました。
翌日には先生から「受験の話は学校ではしないように」と全体に声をかけてくださったことで、実はクラス全体で同じようなことが起こっていたということがわかりました。
受験をする・しないにかかわらず、この時期は「どこの学校受けるの?」という会話がクラスで飛び交っていました。
学校の先生が動いてくれたおかげで、それ以降は子どもがそうした話をされることもなくなりました。
合格しても続く、子ども同士の探り合い
受験が終わると、同級生のAとBを含む数人が、毎日のように「どこの学校に受かったのか」を聞いてくるようになったのです。



〇〇ちゃんと△△ちゃんは〇中学校に合格したんだって。ねえ、それより偏差値上?下?
今度は、合格校をなんとか聞き出そうとして、しつこくこんなふうに話しかけてくるようになりました。
わが子は何も言わず、ただ無言でやり過ごしていました。
子ども同士の会話のほか、塾の合格者一覧が次年度まで掲示されたり、塾のホームページに合格実績が載ったりすることで、思わぬところから情報が広まってしまうこともあります。きょうだいを通じて聞き出されてしまうケースもよくある話です。
合格発表後もしつこく続いた詮索
合格発表のあと、保護者から合格校を聞かれる場面が何度かありました。
わが家がどんなふうに受け止め、どう対応していたかをまとめています。
学校行事で「どこ受かった?」と聞かれた話
合格発表が終わってしばらく経った頃、学校行事のお手伝いで校内に行ったときのことです。
6年間同じクラスだったものの、接点がほとんどなかったママに、突然こう話しかけられました。



うちのお姉ちゃんの受かった高校、教えてあげるから〜!ねっ、どこの中学受かったか教えて!みんなには内緒にするから!!



いや、お姉ちゃんのこと知らないし、どこに受かってようと興味ないんだけど…
わが家では「学校や受験のことは話さない」と子どもと約束していたので、そのスタンスは一貫しています。
「子どもとの約束があるからごめんね」と返しても、なおも食い下がる感じで、



内緒にするから〜、ね〜、教えてよ〜
これはもう話題変えないと…と思い



それより、新しい環境がちゃんと合うか心配だよね
正直、特に心配していたわけではなかったけれど、それ以上会話が続かないようにするため答えるしかありません。
「理系だから〇中?」子どもの趣味から探られた話



〇ちゃん、ロボットが好きなんだよね。理系だったら〇〇中学とかなの?
ある日、そんなふうに話しかけてきた人がいました。
一見ただの雑談のように聞こえますが、こちらの様子を探りにきていることがすぐに分かりました。
正直、その内容について、私はその方と一度も話したことがありません。
実はこの方、うちの子をつかまえてはしつこく受験校を聞いてくるママグループと仲良しの方。
どこからか、わが子の趣味や興味を知っていて、それをもとに進学先を探ろうとしているのが見えてしまいました。
保護者会で大声で聞かれて困った話
中学の入学手続きがひと段落した頃、保護者会で学校に行ったときのことです。
クラスの掲示物を見ていたところ、突然



ね〜、〇ちゃんママ〜!〇ちゃん、どこ受かったの〜?
その声はクラス中に響き渡るほど大きく、思わず教室にいた全員がこちらを見ました。



え、今ここで?しかも、そんな大声で聞く?
声をかけてきたのは、受験をしていない同級生のママです。
「〇〇中学なの〜!」とでも言うと思っていたのかもしれませんが、もちろんそんなことは言いません。
私はその場で、とっさにこう返しました。
「入学やめるかもしれないから、どうなるかわからないよ」
入学辞退なんて考えていませんでしたが、これ以上話が広がらないようにと思って、適当に返しただけです。
ところが、その返事を聞いた別のママがすかさずこう言いました。



〇中の入学説明会、〇日だよ!手続きもあるし、一緒に行こうか?
(心の声:……ごめん、絶対に行かないわ)
今思えば、もっと他の言い方もあったかもしれませんが、あまりの出来事で本当に言葉が出てこなかったのです。



正直、絶句するしかありませんでした。
卒業式の日、子どもが直接聞かれた話
授業参観などの学校行事のたびに、うちの子をつかまえては、「どこ受験するの?」「どこの塾?」と、しつこく聞いてくる人たちがいました。
この保護者たちは、受験する家庭としない家庭が半々くらいの5~6人のグループで、私はその中の1〜2人と「いい天気ですね」くらいのあいさつを交わすだけで、特に親しくはありません。
子どもにはしつこく詮索してくるのに、私には一切そんな話はしてこない。
そんな関係が、卒業式の日までずっと続いていました。
卒業式の日、やっと、子どもにしつこく付きまとうママグループともお別れだと思っていました。
卒業式が終わり、校庭で子どもたちが写真を撮っている間、私は別のママと立ち話をしていました。
そのとき、わが子がまた声をかけられたそうです。



どこに受かったの?教えて
子どもの返事はきっぱりとしたものでした。



教えない。知りたかったら親に聞いて
でも、もちろん私のところに聞きに来ることはありませんでした。
帰宅後にその話を聞いて、子どもは「さすがに腹が立った」と言っていました。
そして、最後まで一番仲の良かった友達にも、進学する中学校名はついに言いませんでした。
その子に言われたのは、「最後まで誰が聞いても、本当に言わないんだね」
中学受験の話は「話す必要がない」
自分のことや家族のことを、誰にでもペラペラ話す人はいないと思います。
話す相手や内容を選ぶのは、ごく自然な人間関係の感覚です。
わが家が受験について話さなかったのも、何か特別な方針があったわけではなく、「話す必要がない」と思っていたからなのです。
同級生やその保護者は「そもそも受験のことについて話す相手ではない」ただそれだけでした。
「教えて」と言われても、答えたところで、こちらにとっては何のメリットもない、だから話さなかっただけです。
合格発表のあと、腹いせや嫌がらせで勝手に入学辞退の連絡を入れる人がいた、という話を聞いたことがあります。本当にあったのかは分かりませんが、そういうこともあるのだとしたら、情報を出さなければ防げるというだけの話です。言わなくてもいいことは言わない。ただ、それだけのことです。
まとめ:中学受験「話さない」を選んで正解
わが家では「話す必要がない」と思っていたから話さなかった。
だけど実際は、それだけでは終わらない場面もたくさんありました。
興味本位で聞いてくる人は後を絶たず、「そんなに人のことを考えられるぐらい暇なの?」って、何度も思っていました。
私は、他の家庭の子がどこに進学したかなんて、本当にどうでもよく興味もないのです。
だから、こちらの情報を聞き出そうとする人の気持ちも、正直よく分からなかったです。
小学校を卒業したあとも、近所で偶然会うたびに「どこの学校に通ってるの?」「どの方面に通っているの?」と聞かれましたが年々それも減ってきます。
結局、受験のことは話しても話さなくても、何かしら言われる。
それなら、「話さない」でいるほうが、自分たちが楽に過ごせる選択でした。
今でも、そうしてよかったと思っています。
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