過去問は、ただ解くだけでは点数になりません。
わが家では「解けない問題を、どうすれば解けるようになるか」にこだわって、1問ずつ丁寧に向き合ってきました。
特に1周目は、本当に大変。その乗り越え方を、わが家の実例とともに紹介します。
この記事では、過去問を“解けるようにする”ためのリアルな体験と、1周目をどう乗り越えるかの工夫を紹介します。
過去問はなぜ大切?【中学受験 学校説明会で言われたこと】

どの中学の学校説明会でも同じ内容の事を言っていました。
- 過去問をたくさん解いてください
- 過去問の本がボロボロになるぐらい解いてください
- 学校のホームページをよく見てください
「たくさん解いてください」とはよく言われますが、実際には「何年分」や「何回」など具体的な数字が示されることはありませんでした。
このあたりの考え方は、以下の記事で詳しくまとめています。


過去問はたくさん解くほど、学校の出題傾向もつかむことができます。
先生が「学校のホームページをよく見てください」と言っていたのは、市販の問題集では3年分しか載っていないけれど、学校のホームページには10年分載っていることもあるからだと思います。
公表されているものはしっかり見ておいてくださいね、という前提で話していたのかなと私は感じました。
だからこそ学校のホームページは隅から隅までよく見ておいたほうがいい、ということなんだと思います。

ホームページには入試問題に対する、学校の考え方が載っている学校もあります
また、過去問を何回も解くのは、できなかった問題をできるようにするため、そしてその学校の解き方に慣れるためでもあります。
何度やっても問題が解きにくいと感じるようなら、学校との相性が悪いのかもしれません。
過去問を解くことで見えるのは、自分が学校に合わせていくのか、自分にあった学校にするのか、という部分です。



同じような環境の学校でも、過去問から学校の違いが見えてきます
算数塾の先生に教わった、過去問の効果的な進め方【中学受験 過去問算数】


わが家は当初、大手塾に通っていましたが、途中で退塾し、算数に特化した個別指導塾に切り替えました。(なお、6年生の夏期講習と志望校別特訓だけは塾Aも併用して通いました)
わが家が通っていた2つの塾の過去問のやり方の違い
塾A(夏期講習・志望校別特訓)では、「過去問は家で解いてきてね」というスタンスで、解き方について特に指示はありませんでした。
一方、算数塾では「過去問を単元ごとに分けて解く」という方法をとっていました。
どちらも「解けるようになるまで繰り返す」という方針は同じでしたが、上記のように過去問の進め方に違いがありました。
単元ごとに過去問を整理して進める方法
算数塾で行った過去問を単元ごとに分けて取り組む方法は、わが家にとってとても有効なやり方でした。
その学校の出し方や形式に慣れるには、出題傾向が似た問題をまとめて解くほうが効率的。
だからこそ、1回分ずつ解くのではなく、単元ごとに切り分けて進めることで、「この形式にはこう答える」という感覚をつかむことができました。
学校ごとのクセや傾向を知るために、過去問を“その学校専用の単元別問題集”のように使うと、取り組みやすく理解しやすかったです。
算数塾で教わった過去問の取り組み方と解き方
わが家ではまず、志望校の過去問を算数塾にあるものを単元別にすべて解くことから始めました。
親が丸つけをして、正解だった問題はそれ以上解くことはせず、間違えた問題は、算数塾の先生に解き方を教えてもらってから、しっかりと理解した上で解き直します。
その後、2周目では1周目で間違えた問題だけをもう一度解きました。
さらに3周目も、2周目で間違えた問題だけを解きました。
こうして、すべての問題が正解になるまで繰り返していくのが基本の流れでした。
1周目はとにかく大変で、解き方を理解するのに30分〜1時間かかることも珍しくありません。
投げ出したくなるくらいしんどくて、親も子も、ここを乗り越えるのが一番時間もエネルギーも必要でした。
理科も算数塾で見てもらっていて、毎年似たようなグラフ問題が出る学校については、3年分の過去問だけでは足りず、さらにさかのぼって問題を解きました。
出題形式にどれだけ慣れているかが大きなカギになると感じた経験です。



1周目が終わったときに、正解の問題が少ないことに、私が泣きたくなりました
過去問コピー・単元分けの工夫【中学受験 過去問コピー・管理】
わが家では、志望校や併願校の過去問をできるだけ多く集めました。
分厚くて使いにくい冊子は背表紙をカットしてバラし、管理しやすい形にしました。
さらに、問題を単元ごとに整理して1冊にまとめ、“その学校専用の問題集”のように仕立て直しました。
算数塾でもこの方法で進めていたため、家庭でもその形式に合わせたのです。
また、紙の管理に加えて「暗記マスター」というアプリを使って全ての問題をデジタル化。
アプリ上で出題・記録を行うことで、紙のやり取りよりもスムーズに進められました。
詳しいやり方はこちらから


第一志望と併願校、どう進める?
わが家の場合、まず第一志望の学校からすべて解き終えました。
全部の問題がすべて正解になってから、併願校の問題を解いていきました。
その多くの学校が第一志望よりもやさしめの内容であることが多く、すでに第一志望対策で単元ごとの練習が進んでいたこともあって、早いペースで解き終えることができました。



第一志望の学校で苦手単元を潰せたことが、結果的に良かったです
過去問を解いている最中に起きたこと


過去問を解いていると、普段見えなかった子どもの取り組み方や、想定外のトラブルに気づくことがあります。
たとえば、学校の配布解答と市販の過去問集に載っている解答が違っていたことがありました。
わが家ではPhotomath(スマホで数式を読み取って解答や解説を確認できるアプリ)や算数塾の先生と一緒に確認し、正しい答えを突き合わせたうえで、学校や出版社にも問い合わせました。
こうした間違いに気づけるのは、過去問を丁寧に解いていたからこそです。
また、問題を解くのに思った以上に時間がかかることや、計算ミスの多さにあきれる場面もありました。


わが家では算数塾で個別に見てもらえる環境があったため、わからない問題もすぐに質問できたのは大きなメリットでした。
一方で、大手塾では質問対応に時間が取れなかったり、聞きたいタイミングで先生に相談できないこともあるかもしれません。
特に中学受験では、塾の授業だけではカバーしきれない苦手単元や質問しづらい問題も出てきます。
わが家の場合、大手塾と個別算数塾を併用することで、教科に応じて必要なところだけを重点的に教えてもらえることができたのはとても良かったです。
塾で質問できなかった時のためにオンライン家庭教師の無料体験レッスンを活用して「ピンポイントで質問できる場」を確保しておくのも、一つの方法です。
自宅にいながら1対1で教えてもらえるので、過去問でつまずいたときの補助としても活用しやすいです。
まとめ:過去問は「できるまでやる」ことで力になる
わが家では、志望校の過去問を時間をかけて徹底的に解いていきました。
特に1周目は、解けない問題に向き合うのが本当に大変で、親の私でさえ投げ出したくなる日もありました。
それでも諦めずに繰り返し解いていくうちに、「この形式はこう解く」「この答え方が合っている」といった感覚が定着していき、正解できる問題も少しずつ増えていきました。
解き直しを何度も行ううちに、子どもができない単元があぶり出され、対策がとりやすくなっていきました。
過去問は、模試とは違い「今回はできなくても仕方ない」では済まされません。
だからこそ、1問1問に丁寧に向き合って取り組むことが何より大切だと感じました。
問題が解けないときには、「今のこの子にはこの単元がまだ身についていないんだ」と親の私も冷静に受け止めて、子どもが解けるようになるまで伴走しました。
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